日帰り太魯閣だけじゃモッタイナイ!泊まって満喫する花蓮の魅力!(前半)


台湾の東部に位置する「花蓮(かれん/ファーレン)」は、台湾の中でも豊かな自然を残す土地の一つです。
切り立つ雄大な岩肌が有名な太魯閣(タロコ)峡谷をはじめ、街の側には東部の青い海や木々が生い茂るサイクリングロードなど、至るところに自然があふれています。

今回のPBでは前半・後半に分けて花蓮の魅力をお届けしていきます。今回の前半では、花蓮に残る豊かな自然と台湾に残る日本を感じるスポットを、後半では花蓮発のアートなショップや花蓮のおいしいものが食べられるスポットをご紹介していきたいと思います。


前半  ~豊かな自然の魅力と街中で感じる日本~

大自然を感じる

七星潭、海沿いサイクリングロード、鯉魚潭、太魯閣峡谷

日本を感じる

将軍府、松園別館、花蓮文化創意産業園区


後半 ~花蓮発ブランド&アート、山海の恵みたっぷりの食の魅力~ 

アートを感じる

HUNSHEN、WATA


美味しいものを食べる

戴記扁食、東大門夜市&原住民一條街、四維先生、五覇焦糖包心粉円氷、達基力風味餐



花蓮ってどんなところ?

南北の距離が137キロにも及ぶ台湾最大の県「花蓮」。
面積こそ最大ではあるものの、平地はわずか7パーセントほどで、人が住める場所が限られている花蓮の人口はわずか32万人(台湾全体で2,352万人)です。
そのため花蓮には人の手が入っていない多くの自然が残されているのです。


アクセス

台北から中心地の花蓮駅までは、台湾鉄道の特急で最短2時間程で到着します。この台湾鉄道のアクセスの良さのおかげで、大都会の台北からあっという間に自然が豊かな花蓮の街に辿り着くことができます。
台湾鉄道の特急列車(太魯閣/タロコ号、普悠瑪/プユマ号)を利用するのが一番早く到着します。タロコ号やプユマ号は事前予約しないと当日のチケット入手が難しいため、ご利用の場合はこちらのサイトから事前のご予約をおすすめします。3時間ほどかかる自強号は当日入手も可能です。
料金は440元(約1,600円)。タロコ号とプユマ号については完全指定席となります。他の特急で可能な立ち乗りができませんのでご注意ください。




大自然を感じる


七星潭~海沿いサイクリングロード

台湾東部といえば、深く青い海!花蓮の海はどこから眺めても綺麗ですが、その青さが一層際立つ場所が七星潭。昼間の七星潭は、空の色をたっぷりと吸い込み、青く大きく広がっています。余計な雑音のない浜辺で、打ち寄せる波の音を聞きながら、ゆったりとした時の流れに身を任せてみてください。
昼間の七星潭に行ったら、ぜひ海を眺める事ができるカフェ「原野牧場」で山羊ミルクを!牛乳とはひと味違う、濃厚な山羊ミルクがクセになります。
(写真左:山羊ミルクシェイク、右:アイスラテ)

そして、昼とはまた別の顔見せる朝の七星潭。東側に向いている花蓮の海岸では、太平洋から昇る朝日を見ることができます。残念ながらこの日は雲が多く、きれいな朝日とまでは行かなかったものの、朝の澄んだ空気の中、散歩や釣り人の姿を多く見かけました。市街地から七星潭までは6キロほど離れていますが、体力に自信がある人はぜひ自転車でチャンレンジしてみてください。(花蓮は山に近い街のため、道のアップダウンが激しい場所もあります。)

七星潭で朝の海を眺めたら、自転車でそのまま南下してみましょう。

自転車をオススメする最大の理由が、この緑に囲まれたサイクリングロードです。車やバイクの侵入禁止エリアで、朝の少しひんやりとした心地よい風を受けながらのサイクリングは本当に気持ちが良いです。ランニングをしたり手をつないで朝の散歩をしているご夫婦など、朝の時間を楽しんでいる人たちの様子もうかがえます。


木々の間からは青い海が。

途中自転車を止めて看板の地図を眺めていたら、「どこから来たの?」と散歩中のご夫婦に声を掛けられました。人懐っこい台湾の人とのちょっとした会話に旅の思い出が一つ増えました。

サイクリングロードの途中には日本統治時代の第五代花蓮港廰長を務めた江口良三郎の紀念碑(記念碑)があります。


朝に自転車で七星潭まで移動することが難しい場合は、市街地すぐの南濱で朝日を見る事もできます!近くに重慶市場があるので、活気のある市場での朝ごはんも楽しめます。


鯉魚潭

太魯閣族が上から見たときに鯉の形に見えたことからその名前が付いたとか。
花蓮駅からは花蓮客運の南支線1139系統のバスで30分ほどで到着します。
一周約4キロほどの湖の周りはサイクリングロードになっており、周辺の山はハイキングコースにもなっています。湖の北側にある観光案内所では自転車がレンタルもありますので、天気の良い日にオススメです。
PB的訪問時間のオススメは断然朝!ボートで湖の中に入ることもできるのですが、朝の時間帯はまだ誰もボートに乗っていないため、風が吹ていない日であれば、揺れない湖面に映る山や雲の写真を撮ることができます。

台北などの都会では見かけない動植物に出会えるのも花蓮の魅力の一つです。



太魯閣峡谷


台北から日帰りで訪れる方も多い太魯閣峡谷。垂直に切り立つ岩肌はまるで人間の立ち入りを拒むかのよう。写真だけでは伝わらない迫力があり、崖から遥か下を激しく流れる河には足がすくみます。

太魯閣国家公園の入り口には太魯閣全体のインフォメーションセンター(太魯閣遊客中心)があります。太魯閣峡谷についての展示や、週末には太魯閣族の民芸品のお店が出ていることも。


太魯閣峡谷の観光エリアはとても広いため、全体を見て回る場合は朝から夕方まで丸一日かかります。太魯閣への行き方は、台北出発のツアーなどもありますが、花蓮に泊まる場合はホテルやAir B&Bのホストに相談するとガイド付きのタクシチャーターツアーなどを手配してくれます。個人で手配する場合は、駅にいるタクシーと交渉するか、駅前の観光センターで相談するほか、公共のバスで行くことも可能です。ただし、公共のバスの場合は1時間に1本しか運航していないのと、太魯閣内の各バス停にバスが時間通りに来ないためあまりオススメしません。



日本を感じるスポット

市街地周辺の大自然を堪能したら、街中を散策してみましょう。

将軍府

かつての日本統治時代に日本軍の大佐が住んでいたエリアが将軍府です。日本家屋の並ぶ風景に、自分が今日本にいるのではないかと錯覚します。造りこそ日本家屋がベースになっているものの、玄関先にタイルがあったり、改装の過程で台湾風の色合いが追加され、和台折衷の趣きがレトロな味わいを出しています。

将軍府の裏手は川沿いを歩ける歩道になっています。歩き疲れたらここで一休み。



松園別館

かつて日本軍の拠点であった建物は、松の木に囲まれたグレーのシンプルな建物です。これは空からの攻撃に備え、周辺の景色に同化できるようにしたため。高台に位置するこの場所からは花蓮港(当時は軍港)が一望でき、海からの攻撃にもいち早く気付くことができるようにしたそうです。

残された建物の中は花蓮のアーティストの展示スポットや雑貨ショップ、カフェなどになっています。



花蓮文化創意産業園区

台湾各地にある日本統治時代に建てられた工場をリノベーションしたオシャレな観光スポットといえば文創園区。その一つが花蓮にあります。文創園区の特徴である台湾発のデザイナーやブランドの雑貨などが買えるのはもちろん、花蓮という土地柄、台湾原住民のアイテムがたくさん置いてあるのが特徴です。台北の文創園区ほど人がいないため、落ち着いて展示を見たり、買い物ができるのでオススメです。



自然に囲まれた花蓮の街はいかがでしたでしょうか。

次回の後半では、花蓮出身のデザイナーが営む工房「HUNSHEN」や花蓮出身のアーティストの作品を揃えるギャラリー「WATA」のご紹介を初め、山海の恵みたっぷりの花蓮ご飯&スイーツをお届けします♪